磁石の種類と不可逆減磁について
各材質とも温度が上がると磁力は減少します。この変化は可逆的(*)です。1℃あたりの磁力の変化率の代表値を下表の①に示します。不可逆的な磁力の減少(*)は保磁力の減少によるもので、ネオジム磁石の場合は高温で、フェライト磁石の場合は低温で発生します。
磁石材質 | ①残留磁束密度の温度変化率 [%/℃] (可逆温度変化率) | 不可逆減磁 |
ネオジム磁石 | -0.12 | 高温になると不可逆減磁が発生する。発生温度は80℃から200℃まで(温度環境、磁石形状によりグレードを選ぶ必要がある。) |
サマリウムコバルト磁石 | -0.05 | 高温でも不可逆減磁しにくい。 |
フェライト磁石 | -0.18 | 保磁力が温度が下がると小さくなるため、低温になると不可逆減磁が発生することがある。 |
アルニコ磁石 | -0.02 | 不可逆減磁しにくいが、保磁力が小さいため両極間の細長い形状にする必要がある。 |
可逆的(*)とは、温度を戻すと磁力も元に戻るという意味です。 不可逆的な磁力の減少(*)とは、温度を戻しても磁力が戻らない事を意味します。
どの磁石材質を選定すればよいのか
材質選定は、使用する磁石と磁気回路の設計、使用時の磁石の最高温度などによります。
材質選定にお悩みの場合は以下問い合わせページより使用時の最高温度、磁石形状、最終の組立時形状などをご連絡いただければ何度から不可逆減磁が発生するかなどの最適設計いたしますので以下よりお問い合わせください。
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